2024-03-18
まずは、消費税の課税関係から見ていきましょう。消費税が課される取引は、以下の4つの要件をすべて満たしたものに限定されます。
1.国内における取引であること
2.事業者が事業として行うものであること
3.対価を得て行われるものであること
4.資産の譲渡、貸付、及び役務の提供であること
上記の要件により、海外における取引は課税されず、輸出取引は「免税」として扱われます。
また、個人におけるプライベートで利用する居住用不動産の売買取引や無償取引(寄付など)も、要件を満たさないことから、消費税の課税対象とはなりません。
不動産の売却に関連する取引について見ていくと、国内における建物の売却や不動産会社への仲介手数料の支払いなどは、これらの要件を満たすことから消費税が課税される取引となります。
|不動産売却に消費税がかからない場合
不動産会社への仲介手数料などが課税される一方、事業者でない個人が不動産を売却する場合や土地の売却については、消費税の課税対象とはなりません。
それぞれ理由を見ていきましょう。
まず、「事業者でない」個人が不動産を売買する場合は、上記2.の要件(事業として)を満たさないことから、消費税の課税対象となりません。
また、土地の売却に関しては、上記4つの要件を満たすものの、消費される性格のものではないことから、消費税法において「非課税取引」とされています。
土地は使うことにより価値が低減するものではないため、消費という性格に馴染まないということです。
なお、そのほかにも社会的政策の配慮の観点からさまざまな「非課税取引」が限定列挙で定められています。
不動産売却時の消費税について
不動産の売却を行う際には、消費税の仕組みを適切に理解しておく必要があります。税の負担者と納付者が異なる消費税の仕組みは非常にややこしいですが、重要なポイントは大きく2つです。
【消費税の課税関係】
1つ目は、「消費税の課税関係(消費税が課される取引なのか)」を理解することです。
事業者として行う取引では
ない場合や、土地の売却取引は消費税の課税対
象とならない一方、建物の売却や仲介手数料な
どは消費税の課税対象となります。
【自らが課税事業者であるか】
2つ目は、「自らが課税事業者であるか(免税事業者に該当するか)」を理解することです。
基準期間の課税売上高が1,000万円に満たない場合には、消費税を申告・納付する必要がありません。
不動産の取引は高額となることも多いため、消費税の仕組みを正しく理解し、申告漏れなどがないように気を付けましょう。
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